コラム

これまでの連載で、企業価値を高める方法として、「事業の収益性の向上」「投資効率の最適化」「財務状況の見直し」「無形資産の把握と活用」「仕組み化」「経営理念、パーパス、ビジョン、ミッション等の言語化」「人員の再配置と最適化」「業務フローの構築」「業務マニュアルの整備」「コスト削減」「マーケティング戦略の立案と実行」について解説してきました。本稿では、採用戦略の立案と実行について解説していきます

◆これまでの連載記事

【連載】売却できる会社に育てる方法⑮「マーケティング戦略の立案と実行」
【連載】売却できる会社に育てる方法⑭「コスト削減」
【連載】売却できる会社に育てる方法⑬「業務マニュアルの整備」
【連載】売却できる会社に育てる方法⑫「業務フローの構築」
【連載】売却できる会社に育てる方法⑪「人員の再配置と最適化」の注意点と手順
【連載】売却できる会社に育てる方法⑩「人員の再配置と最適化」の目的とメリット
【連載】売却できる会社に育てる方法⑨経営理念、パーパス、ビジョン、ミッション等の言語化
【連載】売却できる会社に育てる方法⑧仕組み化の手順と方法
【連載】売却できる会社に育てる方法⑦仕組み化のメリット
【連載】売却できる会社に育てる方法⑥無形資産の把握と活用
【連載】売却できる会社に育てる方法⑤財務状況の見直し
【連載】売却できる会社に育てる方法④投資効率の最適化
【連載】売却できる会社に育てる方法③事業の収益性向上のためのブランディング
【連載】売却できる会社に育てる方法②事業の収益性向上のための社内連携強化
【連載】売却できる会社に育てる方法①事業の収益性向上のための施策

 


【採用戦略とは】

採用戦略は、会社が自社の求める人材を計画的・効果的に獲得するために立てる戦略のことです。労働人口の減少により、採用市場の競争は激化しています。移民の積極的な受け入れをするか、ベビーブームが再び起こらない限り、今後も労働人口の減少は続くでしょう。求職者の応募を待つだけの受け身の姿勢や場当たり的な施策では、応募者が集まらなかったり、一過性の成果となってしまったりすることも考えられます。

採用戦略を立てる際には、まず自社の経営戦略や事業計画との整合性を図ることが重要です。また、自社の求める人材像を明確にし、その人材が応募する可能性が高い媒体や方法を検討する必要があります。さらに、採用活動のコストの分析や、そもそも応募がない・求める人材から応募が来ない・採用してもすぐに退職してしまうなどのリスクを分析し、最適な戦略を立てることが大切です。

採用戦略を効果的に実行するためには、採用担当者のスキルや経験も重要になってきます。また、採用活動に携わる社員全員が採用戦略を理解し、協力することが欠かせません

 


【なぜ採用が難しくなっているのか】

「年々採用が難しくなっている」と感じている経営者の方もいらっしゃるでしょう。中小企業の採用が難しくなっている主な理由は、以下のとおりです。

・少子高齢化による労働人口の減少
・大企業との採用競争の激化
・インターネットの普及による情報の多様化

 

優秀な人材を採用するためには、以下の点に注意する必要があります。

・自社の魅力、特徴をアピールする
・求人情報をわかりやすく伝える
・採用担当者のスキルや経験を向上させる
・採用活動に携わる社員全員が採用戦略を理解し、協力する

中小企業は、大企業にはない強みをアピールすることが大切です。例えば、中小企業は、大企業に比べて裁量権が大きく、自分の意見やアイデアを活かすことができるなどのメリットもあるでしょう。

また、どんな会社なのかを知ってもらうために、会社の様子や社員の一日のスケジュール例、経営理念、お客様の声、社員インタビューなどをSNSや公式サイトで情報発信しておくと求職者の安心感につながります。

 


【採用戦略の立案手順】

前の項と重複しますが、採用戦略を立てる際には以下のようなポイントを押さえておくと良いでしょう。

・自社の経営戦略や事業計画との整合性を図る
・自社の求める人材像を明確にし、人材要件定義や仮想プロフィールを作成する
・採用活動のコストやリスクを分析する
・採用担当者のスキルや経験を向上する
・採用活動に携わる社員全員が採用戦略を理解し、協力する

 

◆自社の経営戦略や事業計画との整合性を図る

採用戦略は、自社の経営戦略や事業計画と整合性を図ることが重要です。自社の経営戦略や事業計画が明確になっていなければ、採用戦略も立てることはできません

 

◆自社の求める人材像を明確にし、人材要件定義や仮想プロフィールを作成する

採用戦略を立てる際には、自社の求める人材像を明確にする必要があります。自社の求める人材像が明確になっていなければ、採用活動を行う媒体や方法を検討することができないからです。どんな考え方を持つ人で、どんな学歴・経歴で、どんなスキルや資格を持っていて、どんなことに積極的・興味関心があるのか…などの詳細を書いた仮想プロフィールを準備しておくと面接時に質問することなどもイメージしやすくなるでしょう。

 

◆採用活動のコストやリスクを分析する

採用活動には、媒体への掲載費や転職フェアなどへの出展、会社説明会の会場費や人件費、交通費などのコストがかかります。また、採用活動にはリスクも伴います。最大のリスクは、「応募が全くないこと」です。採用活動のコストやリスクを分析し、最適な戦略を立てることが大切です

 

◆採用担当者のスキルや経験を向上する

採用担当者のスキルや経験を向上させることで、採用活動の成功率を高めることができます。採用担当者のスキルや経験を向上させるためには、研修やOJTを行うことが効果的です。求職者から応募や問い合わせがあった際は、1時間以内、遅くてもその日のうちか翌日までには返信・回答をすると良いでしょう。求職者は同時に数社の面接・採用試験を受けています。そのため、レスポンスが悪いとそれだけで機会を失いことになってしまうからです

 

◆採用活動に携わる社員全員が採用戦略を理解し、協力する

採用活動は、採用担当者だけが行うものではありません。採用活動に携わる社員全員が採用戦略を理解し、協力することで、採用活動の成功率を高めることができます。面接の際の社員の対応や受付、オフィス内のきれいさなども求職者の方は実はよく観察しており、それらも就職を決める際の判断材料になり得ます。

 

 

次回は、「人材定着策の立案と実行」について解説していきます。


中島 宏明
1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。
プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。
2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から暗号資産投資、不動産投資、事業投資を始める。
現在は、上場企業や会計事務所など複数の企業で経営戦略チームの一員としてM&Aや海外進出等に携わるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

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